慶應義塾大学理工学部 情報工学科

海外大学の夏期講座(サマープログラム)とは

アメリカの夏期講座は、夏休みが始める6月から始まります。夏休みに、単位を取ってはやく卒業してしまおうという学生のためにあるこのプログラムは、主に現地生のためにあるのですが、海外からの学生も受け入れてくれています。もともと、慶應義塾大学にはこのような夏期講座に参加するためのプログラムがSAFというエージェントを通して応募されており、早くからクオーター制を取り入れている物理情報工学科の学生を中心に学生が集まっています。プログラムの時期や内容・条件は大学によって千差万別ですが、6月開始と8月開始のようにセッションがわかれているものもあり、また参加するには、一般的にTOEFL iBT 80か、あるいは超名門校(Harvard, Stanford etc.)などでは100以上が要求されます。

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私は、サマープログラムの存在は前々から知っていたのですが、その料金の高さ(SAFを通すと、80~100万円程度かかります)や行ける期間のせいで、特に行こうとは思っていませんでした。しかし、これは3月のことになりますが、私の物情の友達がサマーセッション行く!といいだし、私はその子には何としてでも負けたくなかったため、対抗心を燃やしながら情報収集を始めました。SAFのプログラムに興味がある人は注意してほしいのですが、前年の12月には少なくとも出願の準備を始めていないと間に合わないと思います。私はその期限をとっくに過ぎていたので、個人で応募することにしました。個人応募では、申請書や履修申告・ハウジング・航空券・ビザまですべて自分でやらなければならず、問題が発生すると大学まで自分で英文メールを書いて問い合わせたりする必要があります。しかし、絶対に何とかなると思ってください。書類提出の締め切りは3月から遅いところで6月です。

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まず始めに私がしたことは、行く大学を決めることでした。自分の思いつく大学名を必死にグーグルに入れ、サマープログラムをやっているか、その期間が合うか、取りたい授業はあるか、費用はどれくらいかかるか、要求スコアは何か、などを比較検討しました。私の場合、TOEFLは一年前に80以上とっていたので問題なかったのですが、どうしても第2クオーターを潰したくなかったので、8月開始のセッションがあるかが重要なポイントでした。
個人的に、情報工学科の現行のクオーター制は未完成だと思います。必修科目以外のほとんどの科目がクオーター制に対応しておらず、第2クオーターを潰すとなると、秋学期にほとんどすべての選択科目&一般教養科目を取らなければならず、とても私にはこなせないと思ったからです。将来的に、第1クオーターでより多くの選択科目を取れるようなれば、6月から行くのもありだと思います。
そんな中、やっとたどり着いたのが、UC Irvineという、カリフォルニア大学システムの学校でした。Los Angelesから約1時間の郊外にあるこの学校は、気候に恵まれた素晴らしい学校で、情報工学の分野ではネットワークの研究で有名です。私は、学科の学習指導の先生とも相談したうえで、デジタル回路デザインとESLの授業を取ることにしました。

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手続きはおよそ次のような流れで進んでいきました。まず、自分から応募用紙を発送します。続いて、先方からWelcome letterが届くはずだったのですが、ここで問題が発生しました。提出したフォームが最新のものでなかったらしく、再送しろといわれたのです。さらにその間に私の取りたかった授業は全て定員が埋まってしまったのです。最初に諦めようと思ったのはこの時でした。コンピュータサイエンス系の授業はもう残されておらず、ビザも取れない状態でした。そこで、その授業の担当教員に直にメールを出し、ビザの関係もあるので特別に枠を作ってくれないか尋ねました。幸い、上手くことは運ばれ、先生から許可をもらった時は、歓喜しました。そこから、学校の寮の申し込みを行い、航空券の予約をしたのは6月ごろです。F1ビザを取る必要がある人も、この時にとることになると思います。私は単位数の関係上、ビザ免除プログラムで替えられたので必要ありませんでした。サマーセッションの参加申し込みはFirst come first served bias(先着順)で行われるので、注意してください。また、奨学金に申し込む人も、早めに動いた方がいいでしょう。私は、慶應義塾大学創立150周年記念奨学金というものを申請し、幸いにも採用になったのですが、他に応募できるものがあるかもしれないので、学科の先生や学生課の担当者に相談するとよいと思います。

そのほか

サマープログラムを考えている人がまず行うべきことは、資格取得の準備でしょう。実際、TOEFL80も十分ではないと思うのですが、少なくともこれを満たすように出題方式を研究し、対策すべきです。TOEFLは院試やほかの海外留学などでも使用することになると思うので、とっておいて損はないと思います。
そして情報収集および学校との密な連携が必要です。後で知らなかったと後悔しても、自分の責任となってしまうので、特に単位換算を考えている人は注意してください。過去にこのようなプログラムに参加したことのある先輩に話を聞くのも必要だと思います。私も、行く前、行った後ともにたくさんの先生や先輩に話を聞きました。
最後に、楽しむことです。友達と、いろんなアクティビティーに参加してみてください。サーフィンしたり、ラスベガス行ったり、パーティーに参加したり。自分を楽しませることができる人は、きっと笑顔で帰れます。むしろ、帰りたくなくなると思います。

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