慶應義塾大学理工学部 情報工学科

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チャンスはどこにでも落ちているものです。私は決して偉そうなことを言える立場ではないのですが、情報工学科のみなさんへ、海外で学ぶことがどんな意味を持つのか、クオーター制が始まった情報工学科の、国際化への新しい一歩となるこの年に、私が経験したこの夏の一コマを、少しだけ聞いてください。

そして、少しでも興味を持っていただけたら、私がどのようにしてこの留学を決意し、準備を進めてきたか、こちらに詳しく載せましたので参考にしていただければ幸いです。

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カリフォルニアはさぞ暑いんだろうなと思っていました。飛行機から降りたその瞬間、人々がいかにその地に惚れ、惹きつけられるかが一瞬にしてわかりました。カラッとした空気に心地よいが風が流れれば、キラキラと輝く太陽は心までも晴れやかにしてくれます。人々は優しく、気さくで、最高の土地と環境でした。

朝、広大なキャンパスを20分かけて歩き、教室に向かうと、すでにたくさんの学生が席について話をしています。サングラスをかけバックパックを背負い、スケートボードを担いでいる姿は、まさにアメリカの大学生でした。先生が登壇し講義が始まると、後ろ側から声が上がります。”Question!” 日本でいつも平和な顔をして講義を聞いていた私とは対称的に、アメリカの学生はとても積極的に授業を受けている、いやむしろ私にとっては一緒に授業を作り上げているような感覚を受けました。福沢先生の、半学半教の精神をここに見た気がしました。先生と学生との対話は日常的なうえ、それだけではなく、Office hourやBBS, Emailなどで学生をサポートしてくれる体制が整っています。また、私が受けたデジタル回路デザインの授業では、10人程度の少人数で実習が行われ、疑問点はTAが熱心に教えてくれました。確かに、サマーセッションで行われる授業は決して楽ではないと思います。たくさんの課題、レポートに加え、英語の教科書の予習復習をこなすのに、苦労する人もいるかもしれません。ですが、これらのサポートシステムを利用し、自ら積極的に働きかけていけば、日本では得がたい経験を得ることも可能です。そして、自分にそれできるかどうか、行く前に心配することは全くないと思います。自信を持ってください!必ずできます!

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私の一番の友達に、中国人の、医学部生がいます。彼のおかげで、私の留学生活は、何にも代えられない、私だけのものとなりました。
私の目標は、アメリカの大学院で学位をとることにあります。毎日が怒涛のように流れていく時間の中で、その目標を思い出させてくれたのは彼でした。今度大学院のアドミッションセンターに話聞き行くんだけど大地は行かないのか、と。忙しいから~と言った5秒後、やっぱ行く!と能天気に言葉を発した私は、そこで偶然の出会いに恵まれました。UCIのPhD.コースをちょうどその日に修了した日本人が、私に話しかけてくれたのです。彼に自分の夢を話したところ、それに共感してくれ、研究分野が近いPhD.卒業生を紹介してくれました。後日、その方とお会いし、とても貴重なお話をしていただくことができ、彼の仲間とも知り合いになることができたのです。また、これとは別に、UCIと何らかのコネクションが欲しかった私は、自分の学科の先生にUCIの知り合いの先生を紹介してもらい、研究室に大学院のことも含めお話を聞きに行ったりもしました。面談の前、本当に成功するのだろうか、きちんと英語でしゃべれるのかどうかと、一人で乗り込む不安に落ち着きを失っていた私に、中国人の彼はこう話しかけてくれました。「もしそのチャンスを、神様がくれた贈り物だと思うのなら、それを失うことを恐れる必要はないんだよ。だってそれは最初からギフト(贈り物)なんだから。」

この言葉を、これを見てくれたみなさんにも贈りたいと思います。ギフトは、止まっていては落ちてきません。今から行動すべきです。あなたの、たったの一歩から生まれたチャンスが、連鎖的に大きなものへとつながっていく可能性があるのです。だけど、それがうまくいかなくても、元の自分に戻るだけ、また探せばいい、そう気楽に考えたら、思いのほかうまくいくかもしれません。私はUCIの先生から、幸運なことに次なるチャンスを得ることができました。

きっと、一歩踏み出せば、様々な経験を踏むことができるのはもちろん、足元のチャンスに気づくことができるはずです。アメリカに行ってみてください。
チャンスはどこにでも落ちているものです。

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