慶應義塾大学理工学部 情報工学科


情報工学科公式キャラクターのコンテストで見事優勝されたAyumi & Yuriさんに表彰・インタビューを行いました。
優勝おめでとうございます!

優勝作品

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アンコ・バイナリー
By Ayumi & Yuri
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。



ご自身について

– まずは簡単な自己紹介をお願いいたします。

由理: 私は2011年に情報工学科の天野研究室を博士で卒業しました。現在はパナソニック株式会社の研究所で、主にヒューマンエージェントインタラクションという分野の研究をしています。

亜由美: 私は2008年に萩原研究室を修士で卒業しました。新卒でスクウェア・エニックスというゲームの会社に入社し、それを経て2011年の11月から株式会社ディー・エヌ・エーに転職しました。由理さんとは実は小5のときに住んでいたサンフランシスコで会っていて、高校、大学と同じなんです。

由理: 小学生のころはむこうの日本人学校で週1で会っていましたね。
亜由美: その後、高校で再会しました。

– それで大学までずっといっしょなのですか。

由理: 唯一研究室だけ違うくらいです(笑)。亜由美さんは高校のころから絵を描くのが上手くて、部活のときもよく似顔絵を描いていたのを覚えています。情報工学科のキャラクター投票と聞いた時に、これは亜由美さんにぴったりだなと思って連絡しました。
亜由美: それで、じゃあやるよ、と(笑)

– 亜由美さんはお仕事でも絵を描かれるのですか?

亜由美: いえ、ゲームのプロデューサーをやっていたこともありますが、絵がこういう風に何かに使われるのは初めてで、とても嬉しいです。

アンコ・バイナリー制作過程について

– キャラクター完成に至るまでの過程を教えて頂けますか。
亜由美: インタビューに使えると思って、今日はボツ案を持ってきました。

– なるほど、ボツ案もなかなか悪くないですね。



– ボツ案の中にチョウチンアンコウそのものがいますね。

亜由美: はい、由理さんに相談する前に、こういうゆるキャラみたいなので大事なのはモチーフだと思いまして。よく「情報の海」という表現があるじゃないですか。それで、情報の海を渡り、その中で光を照らす、というイメージで「チョウチンアンコウ」を思いつきました。さらに、チョウチンは高く伸ばした情報へのアンテナをイメージしています。
それから、由理さんと相談して、「女の子の方がいいんじゃないか」ということになりました。受けがいいだろうし、私達も情報工学科の数少ない女子ですし(笑)

– 着物を着せるという案もあったのですね。

亜由美: これはチョウチンアンコウは響きが和風なので、着物の方がいいのかなーと思って描いてみました。

– この男の子と女の子のペアの頭に書いてある0と1はもしかしてバイナリなんでしょうか?

亜由美: そうなんです!これは、由理さんが情報工学科らしく0と1が関係するのがいいんじゃないかと案を出してくださいました。
由理: 最終的には一人の方がよいだろうということでペア案はボツになりましたが。
亜由美:「バイナリ」は、0と1のスカートの柄に残っています。 それから、名前ですね。

由理: あとは頭身も変えたりとか。
亜由美: どのくらいの感じのがいいかなーと思って、3パターンくらい描いていました。

– 頭身がだんだん縮んでいった感じですか?

亜由美: 逆ですね。この2頭身のものを初めに描いて、バリエーションとしていろんな頭身を描いたんですけど、最終的には最初のが一番良かったということで、2頭身になりました。

由理: 彼女の絵の特徴が一番現れるのがこの2頭身だと思います。
亜由美: あとは基本的なデザインだけ決めておけば、他の人が頭身の高い可愛いイラストを描いてくれるんじゃないかと思って。最初から頭身の高い漫画っぽい絵じゃなくてもいいかなと。
由理: 絵柄がシンプルなので、二次創作もしやすいと思います。

– 二次創作はいろいろと出していきたいですね。

由理: いいですね、お願いします!
亜由美: 二次創作も考えて、髪型に特徴をつけるように意識しました。この髪型とアンテナがあれば、服が着物とか制服に変わってもアンコ・バイナリーちゃんだと認識出来るかなと思います。

– この髪型は何かモデルがあるのですか?

亜由美: これはチョウチンアンコウのヒレっぽいものと尾びれっぽいものをイメージしました。あんまり私チョウチンアンコウに詳しくないんですけれど(笑)。髪型部分を魚っぽくしているんです。
由理: そういう意味があったんだ!
亜由美: でも調べるためにチョウチンアンコウで画像検索して、ショックを受けました。私の中のチョウチンアンコウはもっと可愛かったのに……。
由理: (笑)

– 色のバリエーションもいろいろとありますね。

由理: いろいろ考えました。学科のWebページの配色が緑色だったので、緑もいいかな?とか。
亜由美: その後、慶應マークのカラーパレットを調べて、それに合わせてみました。
由理: 最初それで配色が派手になりすぎちゃったよね。
亜由美: いろいろ検討して、最終的にこうなりました。




– キャラクターを描いた環境は?

亜由美: 以前、由理さんに組み立ててもらった、デスクトップPCを使いました。
由理: 亜由美ちゃんがゲームをしたいというので、組み立てました(笑)
亜由美: 未だに使ってます!クラウドアルパカというフリーソフトを使って、ペンタブレットで描きました。

アンコ・バイナリーの設定

– アンコ・バイナリーの体重とか、身長とか、なにか考えていた設定はありますか?

亜由美: 妖精だから体重はあるなのかな(笑)。もしくは「リンゴ3個分」みたいに、洒落の効いた感じで……。何バイトとか?
由理: あと語尾とかつけてもいいかも。
亜由美: 「〜〜ナリー。」とか!?いやあ、どうかなあ(笑)

– そのうち3Dプリンタでフィギュアとか誰か作るかもしれません。

由理: 出来上がったらください(笑)
亜由美: 欲しい欲しい!

– 後ろ姿はどんな感じになっていますか?

亜由美: 上半身は無地の黄色いままで、スカートはこの柄が一周してるんじゃないかと思います。
由理: 「0」と「1」の柄ですね。
亜由美: 髪型は、後ろでまとめています。

– 髪の毛の色は金色ですか?

亜由美: 髪の毛は金髪ですね。なんとなく、金髪ブロンドにしました。
由理: 妖精だからね。
亜由美: そうね。で、目はちょっと青いです。
由理: 唯一慶應カラーから外れてるのは肌くらいなんじゃないかな。
亜由美: 靴はショートブーツみたいな感じですね。

– 服はワンピースかドレスでしょうか?

由理: ドレスかな?
亜由美: ドレス寄りかな。あと、胸元のところの形と色は慶應ロゴのペンマークを意識しています。
由理: これでだいぶ慶應っぽくなったかな?と。
亜由美: 立体化するなら手のひらサイズ(20cm)くらいですかね。要望です(笑)
由理: 敵キャラとかも作ると面白いかもしれませんね。

– 情報工学科なので、敵は情弱な奴でしょうか。
 
亜由美: そうですね(笑) あ、そうそう、アンコちゃんは最初はチョウチンアンテナが垂れてたんですけど、それだと情強なイメージがつかなくなってしまうので、アンテナを立てました。

– 年齢はどのくらいですか?

亜由美: 年齢は不詳ですね。
由理: 理工学部と同じ年でもいいかもしれない……。……75歳……うん、年齢は不詳で行きましょう(笑)。

この場で亜由美さんにアンコ・バイナリーを描いてもらいました。




– 描くの早いですね。

由理: 亜由美ちゃんは描くが早いんです。

亜由美: やっぱり大事なのは髪型なんです。
由理: これがないと全然ちがう女の子に見えちゃうね。

キャラクター募集のきっかけと、今後について


由理: ちなみにこのキャラクターの募集はどのようなきっかけで始まったのですか?

– 最初は教員が何かしらのキャラクターにパワポの原稿を読ませようと思ったことがきっかけです。ただ教員の声だと上手くいかないということがわかりました(笑)

由理: 読ませる、というのは?

– つまり、だんだん電子化を進めて、教員がいなくてもパワポを一枚ずつ電子音声で読んでくれるようなキャラクターがあってもいいかな、という発想です。

亜由美: アンコちゃんが先生になれるんですね。

– 結局教員の声では上手く行かず、音声ファイルも巨大になってしまいました。声を出そうと思ったら誰か女の子に声を出してもらうしかないですね……。

亜由美: (笑)

– あとは、やっぱり宣伝ですね。情報工学科の宣伝活動に従事してもらいたいと思っています。実は既に結果はでていて、キャラクターの投票を行った1月に、Twitterのリアルタイム検索に引っかかりました(笑)

由理: すごい、そうなんですか!
亜由美: 今後の活躍が楽しみです!

– あとは画像処理のイメージ画像にしてもいいかもしれません。

由理: いいですね。モデルのレナさんみたいに、ベンチマークに使っていただけたりしても嬉しいです。論文に載るといいなあ。

おわりに


– 今日は本当にありがとうございました。改めて、優勝おめでとうございます!

亜由美 & 由理: ありがとうございます。



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